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The Bean Tones インタビュー [インタビュアー黒沢綾]:インタビュー / INTERVIEW

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左から Chris Peters(1st Part,Bass) James Gillen(2nd Part,Trumpet) 
       Davin Kingston(4th Part,Guitar) Grant Heineman(3rd Part, Brushes) 


9月に開催された富士五湖ジャズフェスのために来日し、約一ヶ月もの間、日本に滞在しながら各地で素晴らしいパフォーマンスを披露した、ボーカル・ジャズカルテット、The Bean Tones。
The Beach Boys、やThe Four Freshmen などの40~50年代のボーカル・トラディションを継承しながらも独自のサウンドが人気を集める彼らに、グループ結成の経緯や楽曲制作について伺いました!
(なお、インタビュー時、Davinさんは先に帰国)


[Interview:黒沢綾]
[取材協力:annita artworks / 台東デザイナーズビレッジ]
[通訳:谷ジョー]



The Bean Tones インタビュー


■皆さん初来日!そして(インタビュー時)一ヶ月ほど日本に滞在中ですね。
日本に訪れる前のイメージと、訪れてからの印象を聞かせて下さい。

[The Bean Tones - Chris Peters]
僕は高校時代に日本語を勉強したことがあります。来日前に知っていたのは、クリスマスにKFCを食べる流行りがあるということ(笑)!日本に来てからはコンビニが気に入ったよ。そして日本の人たちもとても大好きになった!

[The Bean Tones - James Gillen]
日本の美しい自然、街並みは想像していた通りです。富士山の素晴らしさや、東京が楽しくユニークな街だということを知ることができました。

[The Bean Tones - Grant Heineman]
ミュージシャン友人から、日本が素晴らしい場所だということは聞いていました。実際、その通りでした。
ライブのお客さんはとてもフレンドリーで、手紙やお菓子をくれたりもしました。アメリカではそういう事はほとんどないので感動しましたね。
そして日本の人々は常に相手を尊重し、親切です。周りの人に愛をもって接する人達だと強く感じましたね。


■今回、日本のメディアでは初めてのインタビューです!

[The Bean Tones]
ハイ、さいこうデス!


■笑!では最初に、The Bean Tones 結成についてお伺いします。
2018年、バークリー音楽大学在学中に結成とのこと。
当初から4人とも40年代、50年代の古いボーカルジャズのスタイルに傾倒していたのですか?

[The Bean Tones - Grant Heineman]
私は古いバーバーショップのスタイルが高校時代から好きでした。大学に入ったらそのような4人組のボーカルグループを作ろうと。The Four Freshmen のような4人組をね。彼らのハーモニーのファンでしたから。
ジャズのアレンジャーとしての経験をいかして、バーバーショップのハーモニーを作り上げることに夢中になりました。


■結成のきっかけはどのような経緯だったのでしょう?

[The Bean Tones - Chris Peters]
そもそもの始まりは、僕ChrisとGrantが大学の寮でルームメイトだったことです。僕らがThe Four Freshmenに夢中だったので、こんなグループを作りたいとSNSでメンバーを募集しました。
50年代の古いボーカルスタイルと18歳ほどの僕ら。そのミスマッチがきっと面白いだろうと思ったのです。その結果、JamesとDavinが仲間になりました。
結成1年目は、大学で一緒に歌うときに会うだけの仲でしたが、1年経った頃には4人とも同じ寮に住んでいました。笑


■仲の良さが伺えますね!皆さんまだまだお若いですが、今までどんな音楽を聴いてきたのですが?

[The Bean Tones - Chris Peters]
全員共通してThe Four Freshmenが好きだという前提で、、
私Chrisは Jonas Brothers が大好き!Grantはジャズ。超が付くジャズ・ガイで、カウントベイシーが特に好きだよね。JamesはBillie JoeとQueen、クラシック・ロックが大好き。Davinはポップミュージックが好きなんだ。
そんな感じで4人とも嗜好がそれぞれ違うから、ユニークな化学反応が生まれているとも言えるんだ。


■なるほど。今日のステージを拝見してそれぞれのバックグラウンドを感じていました。

[The Bean Tones]
アリガトウゴザイマース!!


■そういえば、ライブで使っている個性的なマイクについて教えて下さい。

[The Bean Tones]
Ear Trumpet という素晴らしいメーカーのマイクで、最初はDavinがクリスマスに両親からプレゼントしてもらったものなんだ。50年代ブルーグラスやカントリーミュージックでよく使われるものだけど、僕たちはそれをジャズに取り入れてみた。
ミュージックビデオを撮る際にも見栄えが良く、今はライブ用と2台使っています。


■The Four Freshmenという大きな存在。もちろんリスペクトを前提として「今」この時代にこういった音楽を奏でるThe Bean Tonesらしさ、彼らとの区別化についてどう考えていますか?

[The Bean Tones - Grant Heineman]
The Four Freshmenとは似た方向ではあるけれど、僕たちはそれぞれのシンガーの長所をフィーチャーした作曲やアレンジができる強みがある。僕Grantはアレンジャー、ピアニストでもあるので、他のメンバーにハイライトが当たるような編曲を凝らしています。
Chrisは声質がとても良いし音域が広い、同じようにJamesは低めの声が魅了的です。それらにスポットが当たるようにアレンジをします。加えて、Chrisはドラムが好きだからソロを作ったり、Jamesにはトランペットのパートを作ったり。


■The Bean Tonesのレパートリーはどれくらいあるのですか?

[The Bean Tones - Chris Peters]
ライブでは24〜26曲をプログラムしていますが、常に40曲ほどは用意しています。
新しくアレンジをしたら入れ替えながらね。バーバーショップやジャズスタンダードが多いかな。
ちなみに僕自身はJonas Brothersの曲を60曲ほど歌えるんだけど、まだ採用されないんだ・・(泣笑)


■次回作の構想はありますか?

[The Bean Tones - Grant Heineman]
もちろん!今はクリスマスアルバムのために動いています。オリジナルのクリスマスソングと、トラディショナルやスタンダードを収録したアルバムにする予定です。
そしてレコード盤でのリリース、来年はツアーも視野に入れています。今はそれぞれ単独での音楽活動もしているけれど、来年はグループの活動が多くなると思います。


■この日本滞在中に、忙しい間を塗ってレコーディングしていたと小耳に挟みました。

[The Bean Tones - Chris Peters]
そう!NOAHスタジオ吉祥寺に行ったよ!例のEar Trumpetを持参してね。
Davinのプロデュース、Grantのアレンジでピアノを録音したんだ。もともとあった楽曲を完成させるためにね。


■日本からみなさんを応援するにはどうしたらいいでしょう?

[The Bean Tones]
日本ではみんなSNSを活用しているよね!それらで僕たちの歌をシェアしてくれると嬉しいな!
WEB SITEではニュースレターの登録やTシャツ販売もしているし、オリジナルソングの楽譜も販売しています。
そしてライブの合間や公演後のファンとの交流の時間を大切にして、そういう場を持つようにしているので、ライブに来てもらえることが一番かな。


■ありがとうございます!それでは最後に日本のファンにメッセージをお願いします!

[The Bean Tones] 
にほんじんがダイスキですー!
どの場所へ行っても、僕たちを歓迎してくれてありがとうございます!
ライブに来てくれた人にも感謝していますし、一緒に歌ってくれた人には驚かされました。
必ずまた戻ってきたいと思います!

招致してくれたjjazz.netさん、サックスの三四郎さん、色々な場所へ連れて行ってくれてありがとうございました。
日本は僕にとってナンバーワンの国!

■ありがとうございました!


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ALBUM情報

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タイトル:『Look For The Silver Lining (feat. Alex Baird)』
アーティスト:The Bean Tones
発売日:2025年10月29日


The Bean Tones bandcamp

【SONG LIST】
01.Look For The Silver Lining (feat. Alex Baird) 




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The Bean Tones
クラシックから現代音楽まで幅広いジャンルのオリジナルアレンジやカバーを演奏するボーカル・ジャズ・カルテット。2018年、バークリー音楽大学在学中に結成され、当時はバーバーショップ・カルテットとしてスタート。その後、ボーカル・ジャズ・アレンジを主に演奏。現在はロサンゼルスを拠点に活動。
The Four FreshmenやThe Hi-Lo'sといったグループに影響を受けつつも、独特なカリスマ性のあるサウンドと40年代、50年代のボーカルの伝統を融合させ、新たな聴衆に向けて刺激的なサウンドを生み出しています。
https://www.beantones.com

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黒沢綾 (Singer,Pianist)

幼少よりクラシックピアノ、作曲、クラシック声楽を学ぶ。尚美学園大学JAZZ&POPSコースに入学後、自然な流れでジャズに傾倒。在学中よりプロとして活動をスタート。同コースを首席で卒業。以降、都内近郊でジャズシンガーとして着実にキャリアを重ねながらオリジナル曲を制作。2009年アルバム『うららか』、2013年『Twill』をリリース。ソングライターとして確かな実績を持つ。また上田力率いる【Jobim my Love】プロジェクトに10年以上ヴォイスアーティストとして参加。南米音楽への造詣を深める。ジャズの形式を用いた自由な音楽性、歓びに満ちたサウンドスケープをモットーとする。透明感あるクリスタルヴォイス、また楽器としての声による即興的なアプローチを得意とすることからヴォイス・プレイヤーとしてジャズ・コンテンポラリー作品に参加。参加作品は、栗林すみれ『Pieces of Color』、千葉史絵『Beautiful Days』、岸淑香『feat.手』等。またparis matchのコーラスを2011年から務め、Billboard Live TOKYOをはじめコンサートやツアーに参加。相撲と着物とジャズをこよなく愛す和洋折衷シンガー。
現在、インターネットラジオ・ステーションJJazz.Netの番組ナビゲーターをつとめる。
https://ayakurosawa.me/

My First Jazz Vol.91-akiko:My First Jazz

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Title : 『Verve Jazz Masters 18』
Artist : Sarah Vaughan


ジャズ・シンガーのakikoです。

私は10代の頃、パンクやニューウェーブ、ロックンロールやジャンプジャイヴ、R&B、そしてスカやロックステディなどを聴いていて、ジャズのジャの字も知りませんでした。
でも16,17歳くらいの時、何を思ったか六本木のwaveというレコードショップへジャズのCDを探しに行ったんです。そして見つけてきたのが、Sarah Vaughan の『Verve Jazz Masters 18』というコンピレーションアルバムでした。コンピレーションなので、ビッグバンドスタイルからコンボ、ライブ録音まで様々なスタイルのSarah Vaughanの歌が収録されていました。

当時、自分はジャズシンガーを目指していたわけでもなく、ジャズに憧れていたわけでもないのですが、普段わりと騒がしいダンスミュージックばかり聴いていたので、ちょっと大人びた音楽を聴きたくなってこのCDを手に取ったのだと思います。
まさか数年後、私が実際にジャズを歌うようになるとは夢にも思っていなかったです。
今の自分の歌唱スタイルがSarah Vaughanの影響を受けているか、というとそんな事もないのですが、最初に聴いたジャズの歌がSarah Vaughanのモダンなスタイルで良かったなと今でも思います。
歌の素晴らしさだけではなく、共演ミュージシャンの素晴らしさ、歌とバンドが会話をしている様子が、ジャズの音楽のひとつの魅力としてこのアルバムに詰まっていると思います。

私にとってのMy First Jazzは、Sarah Vaughan『Verve Jazz Masters 18』でした。


akiko



My First Jazz

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Title : 『Verve Jazz Masters 18』
Artist : Sarah Vaughan
LABEL : Verve Records
RELEASE : 1993年


【SONG LIST】
01. Cherokee
02. September Song
03. Shulie A Bop
04. My Funny Valentine
05. How High The Moon?
06. It Shouldn't Happen To A Dream
07. Linger Awhile
08. Poor Butterfly
09. Just One Of Those Things
10. Lonely Woman
11. Lullaby Of Birdland
12. Say It Isn't So
13. Sometimes I'm Happy
14. All The Things You Are
15. Sassy's Blues
16. Misty




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随一の人気オリジナル曲「I Miss You」がラヴァーズ・レゲエに

デビュー25周年に向けて展開中のセルフカバー企画が好調なakiko。その第4弾シングルは、2004年の発表以来、世界各地で愛され続けてきた名バラード「I Miss You」。今回この人気曲を、[Echo United]を主宰し、キーボード、ドラム、ベースなど数々の楽器を自在に操る森俊也、ネタンダーズやピラニアンズをはじめ数々のアーティストのサポートで知られるギタリスト・塚本功、そしてakikoの三人で新たにセッション。
スカ、ロックステディ、ルーツ...多様なジャマイカ音楽への深い造詣と、互いの音楽的感性が重なり合い、オリジナルとはひと味違う、ラヴァーズ・レゲエとしての「I Miss You」が誕生した。



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【akiko】 
2001年、名門ジャズレーベル「ヴァーヴ」初の日本人女性シンガーとしてユニバーサルミュージックよりデビュー。既存のジャズの枠に捕われない幅広い表現で現在までに24枚のアルバムを発表、国内外で活動を展開する。これまでに「ジャズ・ディスク大賞」や「Billboard Japan Music Award」を始め、数々のミュージックアワードを受賞。 また音楽以外にもファッション方面のコラボレーションやプロデュース、選曲、執筆など活動は多岐に渡り、声を使ったボイス・ワークショップや子供のためのジャズワークショップの他に、アーユルヴェーダワークショップやサウンドメディテーション、ウェルネスリトリートなども開催している。 現在、ジャズのスタンダードをテーマにしたエッセイ集「ジャズを詠む」が好評発売中。2024年公開の映画『徒花-ADABANA-』の音楽監督を務める。来年のデビュー25周年へのカウントダウン企画として、今年6月より12ヶ月連続でデジタルシングルの配信が決定。その他、デジタルシングルや7inchレコードなど、定期的にリリースを続けている。 音楽性やファッション性のみならず、そのライフ・スタイルにも多く支持が集まる。
https://www.akiko-jazz.com

Latest Album

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Title : 『I Miss You』
Artist : akiko
RELEASE : 2025年9月30日
https://akiko.lnk.to/I_Miss_You


【SONG LIST】
01. I Miss You





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【KKBOX Podcast「My First Jazz」】
JJazz.Netとの連動によるオリジナルコンテンツ。
ジャズ・ミュージシャン本人の音声コメントをお届けしています。
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2022年より日本でも音声コンテンツ/ポッドキャストの提供がスタート!


曽根麻央 Monthly Disc Review2025.10_Gary Burton / Chick Corea : Crystal Silence:Monthly Disc Review

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みなさんこんにちは、曽根麻央です。
今日は、1973年にリリースされた Gary Burton と Chick Corea のデュオアルバム『Crystal Silence』を聴いていこうと思います。

その前に少しだけお知らせです。
先月リリースされた私の最新アルバム『8つの小品』のリリースライブが決定しました!
ジャズトリオにパーカッション、ストリングス、ホーンセクションも加わる大規模なステージになります。
ぜひ、この機会をお見逃しなく!

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https://www.cottonclubjapan.co.jp/jp/sp/artists/mao-sone/

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Title : 『Crystal Silence』
Artist : Gary Burton & Chick Corea

さて、『Crystal Silence』は、二人の巨匠による美しい音の会話が楽しめる名盤です。
収録曲は主にチック・コリアのオリジナルで構成されています。

まず、ゲーリー・バートンについて。
彼は1943年生まれのヴィブラフォン奏者で、「バートン・グリップ」という独自の持ち方を生み出しました。
片手に2本ずつマレットを持ち、音楽に合わせて角度を自在に変えられるんです。
この奏法によって、ヴィブラフォンでも複雑な和音や、美しいアルペジオを表現できるようになりました。
また、使っていない方のマレットで音をミュートすることで、和音を響かせながらメロディーを分離させることもできる。
つまり、彼はヴィブラフォンを"和音と旋律を自在に行き来できるソロ楽器"に進化させたんですね。
バークリー音楽大学で30年以上教鞭をとり、日本人ではタイガー大越さんや小曽根真さんも彼の教え子として知られています。

一方、チック・コリアは1941年生まれのピアニスト、作曲家。
彼はもともとドラマーでもあったので、圧倒的なリズム感を持っています。
そのリズムから生まれるフレーズや構成のアイデアが、彼の音楽世界をより独創的なものにしています。

このアルバムのミックスもとても特徴的です。
ヴィブラフォンは低音が左、高音が右に広く振られていて、ピアノはやや左寄り。
でも決してぶつからず、2つの楽器が見事に空間を使い分けています。



1. 「Señor Mouse」
スペイン的な和声感やリズムを持つ一曲。
のちのチック・コリアの「Spanish Heart Band」に通じる雰囲気です。
ラテン的なエネルギーを持ちながら、最後は静かに消えていくようなエンディングが美しいですね。


2. 「Arise, Her Eyes」
いきなり登場するのが、バートンの"音のベンディング"技法。
叩いた音板を別のマレットで押さえて音程を変えるという、非常に繊細なテクニックです。
ベーシストのスティーヴ・スワロウの曲で、浮遊感のある音世界を作り出しています。


3. 「I'm Your Pal」
同じくスティーヴ・スワロウ作曲。讃美歌のように静かで温かい雰囲気の曲です。


4. 「Desert Air」
ピアノとヴィブラフォンの音がまるで溶け合うように響きます。
聴いていると、どちらの音なのか分からなくなるほど。
早めの3拍子が心地よい、チック・コリアらしい作品です。


5. 「Crystal Silence」
アルバムタイトル曲で、最も長いトラック。
アナログではB面の1曲目です。
ピアノのアルペジオの上に、ヴィブラフォンのメロディーが浮かび上がる場面では、まるでアルバムジャケットの風景が見えるようです。


6. 「Falling Grace」
再びスティーヴ・スワロウの名曲。
今ではジャズ・スタンダードとしてもよく演奏されます。
拍の頭が分からなくなるようなループ感があり、不思議な美しさを持った一曲です。


7. 「Feelings and Things」
作曲家のマイケル・ギブスの曲。ヴィブラフォンとピアノが同時に別々のメロディーを演奏する場面が多く、両者の主張が不思議と混ざり合い、他の楽曲にはない魅力を聴かせてくれます。


8. 「Children's Song」
前曲とは対照的に、とてもシンプルで透明感のある一曲。
ピアノとヴィブラフォンのユニゾンの響きが印象的です。


9. 「What Game Shall We Play Today」
Return To Foreverでもおなじみのチック・コリアの代表曲。
ここではメロディーよりも、二人の即興的な"対話"が中心。
まさに「会話するような音楽」です。


文:曽根麻央 Mao Soné



Recommend Disc

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Title :『Crystal Silence』
Artist : Gary Burton & Chick Corea
LABEL : ECM Records
発売年 : 1973年



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【SONG LIST】

01. Señor Mouse
02. Arise, Her Eyes
03. I'm Your Pal
04. Desert Air
05. Crystal Silence
06. Falling Grace
07. Feelings And Things
08. Childrens Song
09. What Game Shall We Play Today



曽根麻央『8つの小品』
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ジャズピアニスト兼作曲家・曽根麻央が贈る最新スタジオアルバム『8つの小品』。第一子誕生という人生最大の節目に生まれたこの作品は、家族の愛、日常の輝き、そして音楽への深い探求が織り込まれた45分間の組曲。緻密なオーケストレーション、ジャズとクラシックの垣根を超えた響き、そして親子の時間から生まれた優しくもダイナミックな旋律。新たな旅立ちの予感と共に、音楽の喜びを届ける一枚。

【Songs】
1. Ⅰ. Overture (feat. Ryo Miyachi, Hironori Suzuki)
2. Ⅱ. The Light You'll See
3. Ⅲ. Maria's Eye
4. Ⅳ. When the Angel Cries (feat. May Inoue, Ryo Miyachi, Hironori Suzuki)
5. Ⅴ. Lullaby
6. Ⅵ. Rumba (feat. Kojiro Tokunaga, Ryo Miyachi, Kan)
7. Ⅶ. Love Letter (feat. Edmar Colón)
8. Ⅷ. Finale Part 1 (feat. Kan)
9. Ⅷ. Finale Part 2 (feat. Ryo Miyachi, Hironori Suzuki)

【CD Bonus Track】
10. Waltz for Debby
11. A Song for Jobim
12. Lullaby (Piano Solo ver.)

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「Monthly Disc Review」アーカイブ曽根麻央
2020.04『Motherland / Danilo Perez』2020.05『Color Of Soil /タイガー大越』2020.06『Passages / Tom Harrell 』2020.07『Inventions And Dimensions / Herbie Hancock』2020.08『Birth Of The Cool / Miles Davis』2020.09『Chet Baker Sings / Chet Baker』2020.10『SFJAZZ Collective2 / SFJAZZ Collective』2020.11『Money Jungle: Provocative In Blue / Terri Lyne Carrington』2020.12『Three Suites / Duke Ellington』2021.01『Into The Blue / Nicholas Payton』2021.02『Ben And "Sweets" / Ben Webster & "Sweets" Edison』2021.03『Relaxin' With The MilesDavis Quintet / The Miles Davis Quintet 』2021.04『Something More / Buster Williams』2021.05『Booker Little / Booker Little』2021.06『Charms Of The Night Sky / Dave Douglas』2021.07『Play The Blues / Ray Bryant Trio』2021.08『The Sidewinder / Lee Morgan』2021.09『Esta Plena / Miguel Zenón』2021.10『Hub-Tones / Freddie Hubbard』2021.11『Concert By The Sea / Erroll Garner』2021.12『D・N・A Live In Tokyo / 日野皓正』2022.1『The Tony Bennett Bill Evans Album / Tony Bennett / Bill Evans』2022.2『Quiet Kenny / Kenny Dorham』2022.3『Take Five / Dave Brubeck』・2022.4『Old And New Dreams / Old And New Dreams』2022.5『Ella Fitzgerald And Louis Armstrong / Ella And Louis』2022.6『Live from Miami / Nu Deco Ensemble & Aaron Parks』2022.7『Oscar Peterson Trio + One / Oscar Peterson Trio Clark Terry』2022.8『Ugetsu/ Art Blakey & The Jazz Messengers』2022.9『Sun Goddess / Ramsey Lewis』2022.10『Emergence / Roy Hargrove Big Band』2022.11『Speak No Evil / Wayne Shorter』2022.12『The Revival / Cory Henry』2023.1『Complete Communion / Don Cherry』2023.2『Your Mother Should Know: Brad Mehldau Plays The Beatles / Brad Mehldau』2023.3『Without a Net / Wayne Shorter』2023.4『LADY IN LOVE / 中本マリ』2023.5『Songs Of New York / Mel Torme』2023.6『Covers / James Blake』2023.7『Siembra / Willie Colón & Rubén Blades』2023.8『Undercover Live at the Village Vanguard / Kurt Rosenwinkel』2023.09『Toshiko Mariano Quartet / Toshiko Mariano Quartet』2023.10『MAINS / J3PO』2023.11『Knower Forever / Knower』2023.12『Ella Wishes You A Swinging Christmas / Ella Fitzgerald』2024.01『Silence / Charlie Haden with Chet Baker, Enrico Pieranunzi, Billy Higgins』2024.02『Rhapsody in Blue Reimagined / Lara Downes』2024.03『Djesse Vol. 4 / Jacob Collier』2024.04『Voyager / Moonchild』2024.05『Evidence with Don Cherry / Steve Lacy』2024.06『Quietude / Eliane Elias』2024.07『Alone Together / Lee Konitz, Brad Mehldau, Charlie Haden』2024.08『The Rough Dancer And The Cyclical Night (Tango Apasionado) / Astor Piazzolla』2024.09『Potro De Rabia Y Miel / Camarón De La Isla』2024.10『Calle 54 / Various』2024.11『Trumpets Of Michel-ange / Ibrahim Maalouf』2024.12『Sings for Only the Lonely / Frank Sinatra』2025.01『Hero Worship / Hal Crook』2025.02『Undercurrent / Kenny Drew』2025.03『Live In Toronto 1952 / Lennie Tristano Quintet』2025.04『Antidote / Chick Corea & The Spanish Heart Band』2025.05『Hot Five & Hot Seven / Louis Armstrong』2025.06『Panamonk / Danilo Pérez』2025.07『Nat King Cole Sings/George Shearing Plays / Nat King Cole、George Shearing』2025.08『Clifford Brown and Max Roach / Clifford Brown and Max Roach』2025.09『Montreux '77 / Ray Bryant』

Reviewer information

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曽根麻央 Mao Soné

曽根麻央は2018年にジャズの二刀流として、 2枚組CD『Infinite Creature』でメジャー・デビュー果たしたトランペッター、ピアニスト、作曲家。

 幼少期よりピアノを、8歳でトランペットを始める。9歳で流山市周辺での音楽活動をスタートさせる。18歳で猪俣猛グループに参加し、同年バークリー音楽大学に全額奨学金を授与され渡米。2016年には同大学の修士課程の第1期生として首席(summa cum laude)で卒業。在学中にはタイガー大越、ショーン・ジョーンズ、ハル・クルック等に師事。グラミー賞受賞ピアニスト、ダニーロ・ペレスの設立した教育機関、グローバル・ジャズ・インスティチュートにも在籍し、ダニーロ・ペレス、ジョー・ロバーノ、ジョン・パティトゥッチ、テリ・リン・キャリントン等に師事、また共演。
 これまでにニューポート、モントレー、モントリオール、トロント、ドミニカ等の国際的なジャズ・フェスティバルに出演。
2017年には自己のバンドでニューヨークのブルーノートやワシントンDCのブルース・アレイ等に出演。2018年メジャー・デビュー。2019年には故・児山紀芳の代役でNHK-FM「ジャズ・トゥナイト」の司会を担当。また2020年公開のKevin Hæfelin監督のショート・フィルム「トランペット」の主演・音楽を務めるなど、演奏を超えて様々な活動の場を得ている。

 曽根は国際的に権威ある機関より名誉ある賞を数々受賞している。
2014年度フィラデルフィア『国際トランペット協会(ITG)ジャズ・コンペティション』で優勝。
同年『国際セロニアス・モンク・ジャズ・コンペティション』にて13人のファイナリストに世界中の応募者の中から選出。
2015年に地元・流山市より『ふるさとづくり功労賞』受賞。
2016年アムステルダム『"Keep An Eye" 国際ジャズアワード』にて優勝。

曽根麻央Official Site

SHIBUYA MUSIC CROSSOVER 2025 #3 広瀬未来Jazz Orchestra:ニュース / NEWS

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渋谷区文化総合センター大和田にて、12年間に渡り開催してきた「ジャズ@大和田」の終了を惜しむ沢山の声に後押しされ、新たにスタートしたシリーズ"SHIBUYA MUSIC CROSSOVER"。
同イベントは「日常を彩る、音楽のある時間」をテーマに、若手アーティストを中心にジャンルや世代の枠を超えたライブをお届けするシリーズ。渋谷区民をはじめ、多くの人に良質な文化芸術に触れる機会を提供します。

第3回目となる今回は、ワールドワイドに活躍するトランペッター・コンポーザー広瀬未来が率いる新世代ビッグバンドが登場!
この機会に、日常を彩る音楽の時間を満喫してみてはいかがでしょうか?


JJazz.Netでは現在2組4名様ご招待中!
ご応募〆切:2025年10月17日(金)17:00
応募はこちらから



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■SHIBUYA MUSIC CROSSOVER 2025 #3 広瀬未来/Miki Hirose Jazz Orchestra ■

【日時】
2025年10月25日(土)
15:00 open
15:30 start 

【出演】
桑原睦実(ヴォーカル)
土井徳浩(アルトサックス)
岡崎正典(テナーサックス)
西口明宏(テナーサックス)
高橋知道(バリトンサックス)
池本茂貴(トロンボーン)
青地宏幸(トロンボーン)
広瀬未来(トランペット)
大泊久栄(トランペット)
熊谷ヤスマサ(ピアノ)
手島甫(ベース)
坪田英徳(ドラムス)

【場所】
渋谷区文化総合センター大和田 伝承ホール(6F)
(渋谷区桜丘町23−21)
https://shibu-cul.jp/denshohall

【料金】
全席指定 4,500円(高校生以下2,000円) 当日券は各席+500円
※渋谷区民優待有・要問合せ

【チケット・お問い合わせ】 
[チケットぴあ] 
https://t.pia.jp Pコード 295-013
[直接販売・お問合せ]
渋谷区文化総合センター大和田(3F)ホール事務室
TEL.03-3464-3252(受付時間 10:00 -19:00)
http://www.shibu-cul.jp/

【主催】渋谷区 

【協賛】サッポロビール株式会社 


https://shibu-cul.jp/event/38859


SHIBUYA MUSIC CROSSOVER 
SHIBUYA MUSIC CROSSOVER


My First Jazz Vol.90-曽根麻央:My First Jazz

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Title : 『Play The Blues』
Artist : Ray Bryant Trio


皆さんこんにちは。マルチ・インストゥルメンタリスト、作曲家の曽根麻央です。
My first jazzということで僕の初めてのジャズアルバムをご紹介します。
僕はjazz.net では毎月Disc Reviewのコーナーを持っていて、ちょうど内容が少し被ってしまうのですが、Ray Bryantというピアニストがトリオでレコーディングしたアルバム『Play The Blues』を紹介します。
Ray Bryant はブギウギやストライドだったりという、古くからある土っぽいジャズのスタイルを継承して、コンサートホールで演奏するレベルに洗練・進化させた素晴らしいピアニストです。
彼は特にソロピアノでの活動が有名なのですが、このアルバムではソロピアノのレパートリーをトリオ編成、そしてゲストのハーモニカプレイヤーを加えたカルテット編成で演奏した内容になっています。
「Gotta Travel On」という彼の代表曲、「St. Louis Blues」「Things Ain't What They Used To Be」などのブルースの有名曲が、とても素晴らしい演奏で収録されています。

このアルバムとの出会いは小学3年生の時。地元の柏にお住まいだった元Swing journalの編集長・児山紀芳さんが開催したジャズライブで、メインアクトとしてRay Bryantが出演しました。
力強いグルーヴと、ピアノが揺れるまで引き続けるタッチに魅了され、CDが欲しいと親にねだって買ってもらったものだったと思います。サインも入っています。
親の車で聴いたり、自分のラジカセで聴きながらピアノを合わせて練習した記憶がある、思い出のアルバムです。
ぜひ、聴いてみて下さい。

曽根麻央



My First Jazz

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Title : 『Play The Blues』
Artist : Ray Bryant Trio
LABEL : M & I
RELEASE : 2000年

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【SONG LIST】
01. Gotta Travel On
02. I'm A Just Lucky So&So
03. Slow Freight
04. C Jam Blues
05. Stick With It
06. St. Louis Blues
07. C.C. Rider
08. Please Send Me Someone To Love
09. After Hours
10. Things Ain't What They Used To Be




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― 人生の旋律、愛の組曲。家族と音楽が織りなす、色彩豊かな45分 ―

ジャズピアニスト/作曲家・曽根麻央によるニューアルバム『8つの小品』が、2025年9月10日にリリースされることが決定した。
第一子の誕生という人生の大きな節目に誕生した本作は、家族への愛、日常の輝き、そして音楽への飽くなき探求心をテーマに構成された全8章からなる組曲作品。ジャズとクラシックの垣根を越えた響き、緻密なストリングスとブラスのアレンジ、そして即興性の中に光る深い叙情が魅力だ。



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【曽根麻央】 ピアニスト、作曲家 曽根麻央は2018年にジャズの二刀流として、 2枚組CD『Infinite Creature』でメジャー・デビュー果たしたトランペッター、ピアニスト、作曲家。 幼少期よりピアノを、8歳でトランペットを始める。9歳で流山市周辺での音楽活動をスタートさせる。18歳で猪俣猛グループに参加し、同年バークリー音楽大学に全額奨学金を授与され渡米。2016年には同大学の修士課程の第1期生として首席(summa cum laude)で卒業。在学中にはタイガー大越、ショーン・ジョーンズ、ハル・クルック等に師事。グラミー賞受賞ピアニスト、ダニーロ・ペレスの設立した教育機関、グローバル・ジャズ・インスティチュートにも在籍し、ダニーロ・ペレス、ジョー・ロバーノ、ジョン・パティトゥッチ、テリ・リン・キャリントン等に師事、また共演。 これまでにニューポート、モントレー、モントリオール、トロント、ドミニカ等の国際的なジャズ・フェスティバルに出演。 2017年には自己のバンドでニューヨークのブルーノートやワシントンDCのブルース・アレイ等に出演。2018年メジャー・デビュー。2019年には故・児山紀芳の代役でNHK-FM「ジャズ・トゥナイト」の司会を担当。また2020年公開のKevin Hæfelin監督のショート・フィルム「トランペット」の主演・音楽を務めるなど、演奏を超えて様々な活動の場を得ている。 曽根は国際的に権威ある機関より名誉ある賞を数々受賞している。 2014年度フィラデルフィア『国際トランペット協会(ITG)ジャズ・コンペティション』で優勝。 同年『国際セロニアス・モンク・ジャズ・コンペティション』にて13人のファイナリストに世界中の応募者の中から選出。 2015年に地元・流山市より『ふるさとづくり功労賞』受賞。2016年アムステルダム『"Keep An Eye" 国際ジャズアワード』にて優勝。

Latest Album

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Title : 『8つの小品』
Artist : 曽根麻央
LABEL : ReBorn Wood
RELEASE : 2025年9月10日
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【SONG LIST】
【Songs】
01. Ⅰ. Overture (feat. Ryo Miyachi, Hironori Suzuki)
02. Ⅱ. The Light You'll See
03. Ⅲ. Maria's Eye
04. Ⅳ. When the Angel Cries (feat. May Inoue, Ryo Miyachi, Hironori Suzuki)
05. Ⅴ. Lullaby
06. Ⅵ. Rumba (feat. Kojiro Tokunaga, Ryo Miyachi, Kan)
07. Ⅶ. Love Letter (feat. Edmar Colón)
08. Ⅷ. Finale Part 1 (feat. Kan)
09. Ⅷ. Finale Part 2 (feat. Ryo Miyachi, Hironori Suzuki)

【CD Bonus Track】
10. Waltz for Debby
11. A Song for Jobim
12. Lullaby (Piano Solo ver.)





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